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世界的に不景気といわれるなか、起業を目指す人は増えつつあります。
このコーナーでは、
失敗しない為の起業の心得などを解説致します。
成功への一歩に結びつけて頂けたら、幸いです。


***** 今までの成功できる企業への道 *****
  1.1千人なら50人も成功できる 「現実は厳しいが自信持って」
2.あきらめない心が花を咲かせる「常にプラス方向へ感情を制御」
3.命がけで「もうひとふんばり」
4.「狂人」精神の持ち主こそ成功
5.根性持ち最低4千時間働こう
6.努力次第で1日24時間が倍に
7.財務諸表は基礎から理解
8.経営の基礎知識 徹底的に勉強
9.営業・勉強など人の3倍働く
10.自己資金は3年で300万円準備
11.立地はコンビニを目安にく
12.無料相談を積極的に利用
13.ビジネスを制する早起き
14."プラス思考"で将来展望
15.10年後したいこと明確に
16.10年以上修行したことを
17.社名は7文字以内が適切
18.設立費用は人脈に生かす
19.資本金 初期投資の半分で
20.業種により監督官庁へ提出を
21.手続きは分かるまで聞く
22.融資の厳しさ 覚悟必要
23.節約へ 詳細な資金検討
24.ベストを尽くして待つのみ
25.原点見つめ経営理念を
26.経営理念は行動の動機付け
27.理念共有に社訓が有効
28.繁盛には事業に「強み」を
29.10年後「在るべき姿」想像
30.頻繁な訪問営業で顧客増
31.具体的な行動目標作成を
32.事業の出発点は”お客様”
33.商品がもたらす効用 大切に
34.「お客は何を買いたいか」追及
35.営業、販売力強化考え4P
36.”顧客側”の4Cを理解
37.”賃借対照表”を理解する
38.利益確保で現金増やす
39.計画立て経営を創造

1.1千人なら50人も成功できる「現実は厳しいが自信持って」

2009年6月4日 中部経済新聞 掲載

 私は2001年8月8日に起業しました。起業した一番の大きな理由は、私なりに見つけた起業家成功の法則を試すためです。そして起業、並びに経営支援をして中小企業の発展に寄与したかったからです。私は地元の商工会議所で起業を支援する仕事をしていました。でも、頑張っているわりには、成果はむなしく、ほとんどの起業家が志なかばで去っていかれます。
国は、起業の成功者は1割程度と発表していますが、実態は5%程度だと思います。その理由は、起業家の多くは開業届を提出していないからです。私は起業の支援の他にも、中小企業の経営をサポートする経営指導員という仕事をしておりました。
 そこでは、確定申告の時期になると、商売を始めたので確定申告をしないといけないという事で相談に見えます。起業家の3割は法人で始められ、残りの7割は個人で開業されます。そして個人で始めるほとんどの方は税務署に開業届けを提出しないのが現実です。そのような事から、起業の成功率は5%程度だと肌で感じていました。これが起業の本当の実態です。国,各都道府県は、起業支援に力をいれて産業に活力を入れようとしていますが、なかなかうまくいっていないのが現実です。
 どうして起業はうまくいかないのか。それは、いろいろな理由があると思いますが、私が思う一番の理由は、準備不足、起業に対する考え方が安易だということです。拡大経済の時代で物、サービスが足りない時代は、お客様は買わざるを得ないため買い物をしましたが、産業が安定期に入り、物あまり現象の経済のなかあえて買物をしなくてもいいのです。
ましてや、100年に1度の世界恐慌と言われる時代、既存の会社、お店ですら悪戦苦闘、倒産していく時代です。新しい信用もないお店、会社からあえて物、サービスを買うでしょうか、冷静に考えれば当たり前の事です。それらをじっくり連載させていただきます。

****** 今週の起業家への言葉 ******

起業の成功率は5%でも、1,000人に50人も成功できるのです。

  起業家の大成功された晴々しい世界が表にでて、現実の厳しさはあまり伝わってきません。現実は、ほとんどの人が失敗する厳しい世界でもあります。成功例5%と聞くと、非常に低いように見えますが、1,000人なら50人も成功できるのです。私も100人中5人に入る自信はありませんでしたが、1,000人で50人ならギリギリは入れるような気がしました。だから、起業しました。

2.あきらめない心が花を咲かせる「常にプラス方向へ感情を制御」

2009年6月11日 中部経済新聞 掲載

 前回、多くの起業家は準備不足で失敗すると書きました。
 縮小経済のご時勢、多くの企業が倒産していく、戦後最悪の不景気です。起業家が少々の準備で成功できるでしょうか。しっかり準備して、石橋をしっかり叩いて渡っていただきたいです。
 さてそれでは、どうしたらいいのでしょう。
 私が起業して、強く思うことは、心の持ち方が大切だと思います。いろいろな場面において、自分をプラスに変える力、あきらめない力、いかに自分のモチベーションを上げることができるかが非常に大きなカギとなります。また、経営的知識も非常に大切になってきます。さらには、知識を知恵に変えていく力が必要です。
 この強い気持ちを持つためにはどうしたらいいのでしょうか。私が思うには、この強い気持ちを持つにはある程度の訓練でできるようになると思います。
 では具体的には、感情をコントロールできる思考を持てるようになりましょう。感情の持ち方は、思考の強さで随分変わります。
 思考を強くするためには、常にプラスの言葉を使う。必ず成功するという気持ちを持つ、自分の信念、経営理念など毎朝元気に読む、自分より信念の強い人に会いエネルギーをいただく、紙に書く、イメージトレーニングをする、さらには、朝早起きする習慣を身につけることも大切です。早起きは簡単そうで、意外にできない習慣です。早起きほど自分の感情をコントロールする訓練はないでしょう。ちなみに早起きとは、午前5時には起きたいものですね。
 私は前職より、経営者の考え方、悩みなどはだいだい理解しているつもりでしたが、実際自分で起業してみると、経営はほんとうに厳しいなぁ、といつも感じます。だから、経営者は多くの勉強ができるんだということも理解できました。起業の体験はいくら言っても、理解できたつもりでも、体験しないと分からないことばかりです。
 だから、一刻も早く経営者になり、早く経営の体験をしたほうがいいという意見もあるかもしれませんが、いくら小さく起業するといってもお金も時間もかかります。スタートすると後戻りはできません。

****** 今週の起業家への言葉 ******

諦めない心が花を咲かせる

   成功するには、必ず諦めずに最後までがんばることと言われます。逆に言えば最後までやりきれないから失敗するのです。この最後までやりきる力こそ、経営力、起業力であり成功への法則です。私も「あきらめず最後までやりきる経営力」を身につけたいものです。

3.命がけで「もうひとふんばり」

2009年6月18日 中部経済新聞 掲載

 前回は、感情と早起きの話を書きました。早起きできるようになりましたか?
 それでは、今週から具体的な起業への準備、訓練の話をさせていただきます。
感情をコントロールできるメンタルの強さを、起業する前に身に付けてただくために、具体的に次の10項目を自分なりに考え、行動、チェックしてみて下さい。
メンタル準備・10

  1. 本当にその仕事が好きか(もうかりそうとか、楽そうとか安易な考えではダメです)
  2. 起業の目的がしっかりしていますか
  3. 10年後、5年後の自分の事業を情熱的に人に話せるか
  4. 誰にも負けない自信、強い精神力があるか
  5. 家族の同意が得られているか
  6. 常にプラス志向の考えを身につけているか
  7. 経営者はすべて行う事ができるか(掃除、営業、経理、実務、書類整理、銀行回り、その他)
  8. すべて自分の責任であることが受け入れるか
  9. 朝7時前から仕事ができるか(起業5年間)
  10. 自分の起業が、誰かに喜ばれ社会の役にたつか

それでは、具体的に一つ一つ検証しましょう。
1.「本当にその仕事が好きか」
起業して10年以上、いや30年以上その商売をしていくのです。安易にもうかるとか、思いつきでチャレンジしてみるとか、戦後最悪の不景気で、サラリーマンもリストラ、給料減、うるさく言う上司などつらい事が多いから、退職して社長を目指すかといったのりでは成功は難しいです。自分が本当にその仕事が好きで一生頑張れるか、命をかけて頑張れるかを自答してみて下さい。
2.「起業の目的がしっかりしていますか」

  自分がどうして起業するのか考えてみて下さい。起業の目的を10以上書けますか、自分がなぜ起業するのか、なぜ、なぜ、なぜ、を追求して下さい。それが明確になれば必然的に起業の目的が定まります。
****** 今週の起業家への言葉 ******

志とは士(さむらい)の心と書きます。命をかけて頑張ろう。

    起業家は、命がけで頑張っています。それでも上手くいかない人が多いです。では、上手くいく人と何が違うかといいますと、紙一重の努力とか粘りとか運とかの違いではないでしょうか。ピンチの時に「もうひとふんばりできる」かが大きな違いになります。それが、命をかけることにつながると思います。「もうひとふんばり」頑張ってみようという気持ちが、成功へ導くでしょう。

4.「狂人」精神の持ち主こそ成功

2009年6月25日 中部経済新聞 掲載

 今週も具体的な起業への準備の話をさせていただきます。
 3.「10年後、5年後の自分の事業を情熱的に人に話せるか」
 起業家が失敗する最大の要因は目的と手段を間違えていることが多いからだと思います。起業10年後の夢が本来、起業の目的であるにも関わらず、起業すること・手段が夢になっている方が多いのです。
起業して5年後にはこうしたい、××したい。10年後にはああしたい、××したいと言える方が起業で成功されるのです。起業は夢へのスタートでありゴールではないはずです。
 4. 誰にも負けない自信、強い精神力があるか
 成功した経営者が必ず言う言葉があります。それは、成功の秘けつは、「最後まで諦めないこと」。
 そんなこと当たり前なのです、あきらめずにやり続ける執念が必要になります。そのために、今から強い精神力を鍛えておきましょう。現在の環境の中でも人に言われたくらいでへこたれず頑張る。多少非難を浴びても頑張ることなど、今の環境でもできるはずです。何かをなすためには「狂人」な精神力が必要です。
 5. 家族の同意が得られているか
 起業には、家族の協力がかかせません。家族が手伝うとかいう話ではなく。起業すれば土日もないでしょう。朝早くから夜遅くまで頑張らないといけません。
 そのような中、支えになるのは家族です。家族に賛同されていないと家の中でも孤立になり、非常につらいものがあります。
 「お父さん頑張って」、「お母さんありがとう」という、何気ない言葉がモチベーションを上げ、起業の困難を乗り越えていくのです。
 6. 常にプラス志向の考えを身につけているか
 人は同じ現象でも考え方は大きく異なります。コップに水が半分ある時に、ポジティブの方は、まだ半分もあると思います。ネガティブの方はもう半分しかないと思います。まだ半分あると思える方には未来があります。どんな時で、プラス思考にして感情に訴えましょう。
****** 今週の起業家への言葉 ******

起業には狂人の精神が大切です。

  起業することは、普段の生活ではありえないことです。そういう意味では非常識な行動です。さらに、ほとんどの方が失敗する行動です。ですから、皆から狂人になったと言われても「そうだよ」とにっこり答えられるなら、あなたはきっと成功できるでしょう。つまりは、「狂人」の精神の持ち主でこそ、起業は成功できるのです。

5.根性持ち最低4千時間働こう

2009年7月2日 中部経済新聞 掲載

 今週も具体的な起業への準備の話をさせていただきます。
 7・経営者はすべて行うことができるか(掃除、営業、経理、実務、書類整理、銀行回り、その他)
 起業した最初は、すべて自分で行うことが大切です。最初から人任せで得意なことをやることが、効率、能率はいいかも知れません。しかし、経営者が基本的な知識、手法などを知っているのと、知らないのでは数年後には大きな差になります。
 最初はすべて自分で行ってください。今まで自分が何もしていなかったことに気づきます。サラリーマン時代のカンバンの信用、威力はありません。話を聞いていただけるだけで奇跡なのです。今までの仕ことが非常にありがたかったことに気づきます。
 起業は本当に大変です。大変だから成長でき、ビジネス能力が上がるのです。大変とは大きく変わると書きます。自分が大きく変われるのです。
 8・すべて自分の責任であることが受け入れるか
 会社の責任はすべて経営者の責任です。いままでは、言い訳で責任逃れができたかも知れません。これからは、会社の業績の悪いのは起業したあなたが原因です。世の中大不況だから売り上げが増えないのではないのです。起業したあなたのやり方が悪いのです。なぜなら、不景気は条件であって原因ではないのです。
 こんな大不況に起業したから失敗したのではなく、あなたのやり方が悪かったのです。大不況でも成功している起業家はいるのです。起業したからには、言い訳はできません。すべて自己責任です。
 サラリーマンで部下がいる方、それは××君がミスをしたからと報告していませんか、それは、本当はあなたの責任です。ほとんどのサラリーマンが責任回避をしているのです。ですから、起業を目指す方なら、それは私の責任ですと言えるようになりましょう。
****** 今週の起業家への言葉 ******

起業したら、最低4千時間は働こう。根性も大切です。

 4千時間も働くなんて、現在の風潮からするとバカげているのかもしれません。しかし、現実には、根性を出した人が成功できているのです。 私もある方に、「今時ナンセンスでバカげている」と言われました。しかし、人より多く働いているから生きています。こと業も大きくなってきました。能率も大切ですが、まずは、たくさん働きましょう。時間は使ったことがある人しか減らせません。多く働かなければ効率はよくなりません。世界を目指すなら5千時間働きましょう。

6.努力次第で1日24時間が倍に

2009年7月9日 中部経済新聞 掲載

 先週は、アクションチェック3番目までの話を書きました。 今回は4番目からの話を書きます。 4・朝7時から、夜の10時まで働く訓練。起業家は時間量が勝負。休みは月1回、 24時間仕事のことが考えられるか  起業家は量が大切です。働く時間、営業件数、勉強時間など人の3倍働きましょう。これは、今からできることです。起業を志す方は、残業が嫌、土日が休みたいなど言っていてはいけません。今の仕事で、会社で1番、過去最高成績、ヒット商品開発など寝る間も惜しんで働きましょう。 起業するならそれが当たり前です。いまできないことが、起業してできるでしょうか? 最初の半年ぐらいはできても続かないでしょう。だから、今から訓練してください。 このご時勢、仕事がないといわれる方もいるでしょう。どんな時代でも仕事がないことはないのです。納期のある仕事、納めるべき仕事がないのです。 5Sもあれば、新商品開発も、新規の営業などやることはいくらでもあるはずです。自分で仕事を探して働けない人は起業しないほうがよいでしょう。 なぜなら、起業したら、あなたの行動について意見や注意を言っていただける方はいないのです。すべて、自分で考え行動していかないといけないのです。では、多く働くとは、年間4千時間程度は最低です。大成功したいなら、5千時間は働きましょう。 サイバーエージェントの藤田社長は、著書で「週110時間労働を目標にかかげ働いた」そうです。ちなみに1年で52週ですので年間5720時間になります。ある意味起業家は体力勝負ですね。 5・人材育成ができますか  経営者の仕事で一番難しいのは、人をやる気にさせることでしょう。 人はほめて育てろといいますが、私の経験上、非常に難しいです。だから、人材育成を上手に行い、自ら積極的に働いていただけるような人材育成が必要になります。この人材育成は起業家だけではなく、経営者の永遠のテーマでしょう。
****** 今週の起業家への言葉 ******

時間はたっぷりあります。時間がないのはあなたの心が忙しいのです。

時間は唯一、平等にあたえられた経営資源です。あなたの1時間も、私の1時間も同じです。人は忙しい、忙しいと言います。しかし、もうかっている社長さんは、意外にも忙しいと言いません。 時間管理ができているのでしょう。私も今の何倍も働きたいです。もっともっと効率がよくなり時間が増えるからです。

7.財務諸表は基礎から理解

2009年7月16日 中部経済新聞 掲載

 先週まで10のメンタルチェックの話をさせていただきました。今週からは、実際に起業を準備する方のために具体的なアクションチェック10を書いていきます。
アクションチェック10
 1・起業家セミナー、簿記など勉強して知識はあるか、起業家の基礎勉強300時間
 2・経営的な実務知識は充分か・許認可、資格、経理、労務、保険など
 3・起業計画書、経営計画書を作製
 4・朝7時から、夜の10時まで働く訓練。起業家は時間量が勝負。休みは、月1回、24時間仕ことのことが考えられるか
 5・人材育成ができますか
 6・資金はありますか。3年で300万円準備して下さい
 7・場所は考えてありますか(自宅はタブー)
 8・相談できる人がいますか
 9・自分がすること業の調査は充分しましたか
 10・運をよくする行動を習得しましょう
 以上が10のアクションチェックです。以下、具体的な内容を記していきます。
 1・起業家セミナー、簿記など勉強して知識はあるか、起業家の基礎勉強300時間
 最初に起業の基礎知識を習得することが大切です。その一番勉強しやすいのが各地商工会議所で行っている創業塾です。セミナー形式の5回程度で30時間程度が多いです。
 内容は各地商工会議所によってさまざまですが、基本的には経営者の心構え、税務の知識、会社設立の知識、先輩の体験談などがあります。これらを5回程度、それぞれ講師が違うセミナーを受けて下さい。
 簿記の知識を必ず身につけて下さい。経理は記帳ができなければ何も始まりません。
 そして将来的には、財務諸表を分かるようにならなければなりません。私は税理士さんにお願いするから関係がないと思われる方もいるかもしれませんが、経営者が財務諸表を分からないということは、厳しい言い方になるかもしれませんが、経営者失格です。
 簿記を勉強したからすぐ財務諸表が分かるとは言いませんが、経営者を目指す最低条件だと思って下さい。そして、パソコンはある程度は使えるようにして下さい。ワード、エクセル、パワーポイント、経理ソフトなど、中級とは言いませんが、初級よりは少しは上程度で使えるようにマスターして下さい。
****** 今週の起業家への言葉 ******

財務を勉強しない経営者は失格です。

 経営において財務諸表が理解できることは必要条件ですが、実際は起業家や中小企業の経営者で理解できている方は非常に少ないです。
 しかしながら一番の問題は理解していないことではなく、理解しようとする努力をしないことです。理解するための勉強をしないことです。起業家の方で勉強しない人は失敗します。成功したいなら勉強をしましょう。

8.経営の基礎知識 徹底的に勉強

2009年7月23日 中部経済新聞 掲載

 先週は、アクションチェック1番目の起業家の基礎的な勉強の話をしました。
 今週は2番目からの話を続けます。
 2・経営的な実務知識は充分か・許認可、資格、経理、労務、保険など
 いままで心構えの話を多くしましたが、経営はマネジメントを理解してこと業展開をしていく必要があります。
 しかし、起業家といわず、中小企業の経営者の方はほとんど理解していません。私は、多少マネジメントを理解して経営しているつもりですが、なかなかうまくいかないのが本音です。ですから、マネジメントをしていなくてうまくいくほうがおかしいです。
 ちなみにマネジメントとは何ですかと思われるあなたにあえて言いますと、マネジメントとは辞書では「企業の経営管理」と書かれていますが、渡邉流では「あらかじめ決め手ある目的、目標に対して努力すること」を言います。
 そのためには、経営におけるマネジメントの基礎知識は充分すぎるくらい勉強してください。ちなみに経営の神様と言われた松下幸之助さんは、「経営学は勉強できても経営は勉強できない」と言われたそうです。
 まさに私もそう思います。
 3・起業計画書、経営計画書を作製
 そして、起業の基礎知識、経営的な勉強ができたら、起業準備プランを作成して下さい。この起業準備プランは、私が他の経営コンサルタントと大きな差にしているところです。商工会議所の創業塾では開業後の経営計画書は作りますが、これを作る商工会議所は非常に少ないです。
 そして、起業後のビジネスプランを作成していただきたいです。そして、この準備がしっかりできた方は、起業家として成功への道を歩むことになるでしょう。
 起業準備プランの内容は、具体的には、起業の動機、目的、起業10年後の夢、5年後の夢、自分の長所、起業で得たい物・お金で買える物、お金で買えない物、起業後のセールスポイント、いつ起業するのか、場所、起業家での勉強、貯金、必要とされる資金など、これらをスケジュールに落としてコツコツ努力していく姿を詳細にプランニングしてください。これが起業準備計画書です。

****** 今週の起業家への言葉 ******

夢を書こう、恥をかこう。かくことが大切です。

 夢を書く、恥をかくこと、意外にできないです。書いて、かいて、かきまくろう。

9.営業・勉強など人の3倍働く

2009年7月30日 中部経済新聞 掲載

 先週は、アクションチェック3番目までの話を書きました。
 今回は4番目からの話を書きます。
 4・朝7時から、夜の10時まで働く訓練。起業家は時間量が勝負。休みは月1回、
24時間仕事のことが考えられるか
 起業家は量が大切です。働く時間、営業件数、勉強時間など人の3倍働きましょう。これは、今からできることです。起業を志す方は、残業が嫌、土日が休みたいなど言っていてはいけません。今の仕事で、会社で1番、過去最高成績、ヒット商品開発など寝る間も惜しんで働きましょう。
 起業するならそれが当たり前です。いまできないことが、起業してできるでしょうか?
最初の半年ぐらいはできても続かないでしょう。だから、今から訓練してください。
 このご時勢、仕事がないといわれる方もいるでしょう。どんな時代でも仕事がないことはないのです。納期のある仕事、納めるべき仕事がないのです。
 5Sもあれば、新商品開発も、新規の営業などやることはいくらでもあるはずです。自分で仕事を探して働けない人は起業しないほうがよいでしょう。
 なぜなら、起業したら、あなたの行動について意見や注意を言っていただける方はいないのです。すべて、自分で考え行動していかないといけないのです。では、多く働くとは、年間4千時間程度は最低です。大成功したいなら、5千時間は働きましょう。
 サイバーエージェントの藤田社長は、著書で「週110時間労働を目標にかかげ働いた」そうです。ちなみに1年で52週ですので年間5720時間になります。ある意味起業家は体力勝負ですね。
 5・人材育成ができますか
 経営者の仕事で一番難しいのは、人をやる気にさせることでしょう。
 人はほめて育てろといいますが、私の経験上、非常に難しいです。だから、人材育成を上手に行い、自ら積極的に働いていただけるような人材育成が必要になります。この人材育成は起業家だけではなく、経営者の永遠のテーマでしょう。
****** 今週の起業家への言葉 ******

時間はたっぷりあります。時間がないのはあなたの心が忙しいのです。

 時間は唯一、平等にあたえられた経営資源です。あなたの1時間も、私の1時間も同じです。人は忙しい、忙しいと言います。しかし、もうかっている社長さんは、意外にも忙しいと言いません。
 時間管理ができているのでしょう。私も今の何倍も働きたいです。もっともっと効率がよくなり時間が増えるからです。

10.自己資金は3年で300万円準備く

2009年8月6日 中部経済新聞 掲載

 先週は、アクションチェック5番目までの話を書きました。
 今週は6番目からの話を書きます。
 6・資金はありますか。3年で300万円準備して下さい。
 多くの起業家の方がつまずく問題としてお金の問題があります。
 商売でお金を使うことは、いままでの感覚とは全然違うのです。お金を上手に使うことが起業家成功への道の近道でしょう。ですから、経営は投資だとも言われます。
 ほとんどの起業家の方が自己資金を充分用意せず始められます。また、最近の風潮として投資家からお金を集めてという考え方もあるでしょう。
 でも投資してもらう、銀行から借りるつもりの方は、不思議とうまくいかないのです。明確な理由ではないですが、結局はお金を安易に考えてしまうのでしょう。
 ですから、最低でも自己資金300万円程度は準備する必要があります。
 ある意味、300万円コツコツ貯める時間が必要で、そこでお金の大切さを学んでいただきたいです。ちなみに起業家の融資は日本政策金融公庫、金融機関など起業家向けの制度はありますが、融資が受けられるとは限りません。
 制度があれば借りられると勘違いされている方が非常に多いです。
 ただ、私の経験で言いますと、起業後半年から1年で運転資金が底をつく方が非常に多いですので、起業前に余裕を見て、自己資金を基に、日本政策金融公庫の創業資金を利用されるといいと思います。
 7・場所は考えてありますか? 自宅はタブー
 開業にあたって充分な立地調査をしていますか、多くの起業家が開業の立地を失敗されている方が多いです。特に飲食店、小売は立地で勝敗が決まるとも言われます。ですから、慎重に検討していただきたいです。立地の場合、どうしても不動産屋さんにお願いする場合が多いので、不動産屋さんのアドバイスが絶対になりますのでミスマッチになっている場合が多いのです。(続く)
****** 今週の起業家への言葉 ******

目に見えない資産を大切にしましょう

人は目に見えるものは、価値観も分かりやすく大切にしますが、企業経営にとって目に見えない資産が沢山あります。
人脈、営業権、知的財産、ビジネスモデル、経営ノウハウ、広告宣伝、社員の研修、福利厚生などまだまだあります。
こうした資産作りを意外にされている方は少ないのです。でも目に見えない資産を大切にされる方は商売がもうかっているほうが多いです。

11.立地はコンビニを目安にく

2009年8月13日 中部経済新聞 掲載

 先週は、アクションチェック7番目までの途中まで書きましたので、今週は7番目の話の続きからを書きます。
 7・場所は考えてありますか? 自宅はタブー
 よい立地を言葉では言いにくいですが、私の基準は、街と街を結ぶ道路で街の端。さらには、入りやすいより出やすい駐車場。これらを網羅しているのがコンビニです。ですから、コンビニを目安とされるのもいいでしょう。
 また、片道2車線の道路は交通量も多く、良さそうに思えますが、大きな駐車場(50台以上)でない限りは、片道1車線で交通量が多い道がいいと思います。
 なぜ、自宅はタブーなのか
 この質問が起業家セミナーで必ずといってよいほど質問を受けます。
大きな理由は、モチベーションを保てますか、お客様から信用が得られますか、お客様をお招きできますか、自分に誇りを持てますか、などそれぞれの理由からです。特にモチベーションですが、最初の半年程度はよいですが、その後急激にダウンします。
 朝起きて、会社への移動時間で自分の仕ことモードへとテンションを上げていくのです。
 私も車のなかで大きな声であいさつ練習をしながら通勤したものです。
 8・相談できる人がいますか
 起業家にとっては、すべてと言っていいほど新しいことばかり、知らないことばかりです。仕ことに自信を持って起業される方も、「こんなに知らないことばかりなのか」と言われます。まさしくその通りで、自分は会社のすべてを知っているようなつもりでも、ほんの一部しか経験していないのです。
 先日も、ある起業家の青年がいろいろな方を紹介してほしいと言われ、3人ほど、その場で電話して用件が済み「3日分の仕事が30分で終わりました」とビックリされ、渡邉社長は本当にすごいですねと関心され帰られました。
 起業家の相談で失敗される方は、友達に相談した、知り合いの社長に相談したなどが非常に多いです。起業、経営を相談できる方は、非常に少ないので、そういう方を頼りにしてしまうのはわかりますが、やはり専門家に相談されることをお薦めします。(続く)

****** 今週の起業家への言葉 ******

自分の応援団を作りましょう

それはお客様であり、取引先であり、社会であります。
皆さんがあなたを応援してくれるから生きていられるのです。
そのためには、あなたが自分の応援団長になり自分を応援しましょう。
フレー、フレー、起業家、オッス

12.無料相談を積極的に利用く

2009年8月20日 中部経済新聞 掲載

  先週は、アクションチェック8番目までの途中まで書きましたので、今週は8番目の話の途中からを書きます。
 8・相談できる人がいますか
 専門家の方に相談するとお金もかかるからと思ってみえる方が多いですが、各地の商工会議所、商工会にて、無料相談の体制が整っていますので積極的に利用されることをお薦めします。私も岐阜県の商工会議所、商工会で相談業務をしていますが、10回以上来られた方もみえます。多く相談にみえる方は、成功されている方が多いように見受けます。
 9・自分がすること業の調査は充分しましたか
 起業される方で、自分がライバルとする企業を調べてみえる方が少ないように思われます。例えば、喫茶店をするなら、周辺10`程度の繁盛店には最低5回程度は通い、なぜ繁盛しているか研究し、ノートに記録する必要はあります。
 いまだかって、そこまで研究されている方に会ったことがないと言うことは、いかに調査不足かがわかりますね。
 10・運をよくする行動を習得しましょう。
 最後は運をよくする行動です。起業家、経営者で成功されている方は、必ず運がよかったと言います。
 たしかにその要因は大きいでしょう。しかし、運がよくなければ成功できないのかということになりますね。私もそこで運についていろいろ勉強しました。その結果、運には天運、努力運があり、天運は地震のように自分の力ではどうにもできない定めです。
 しかし、努力運は自分の努力により向上させていける運です。運がよかったと言われる方は、この運をあげる力を持っている方と、意識してあげている方がみえます。
 それでは、ここに渡邉式運をよくする方法10を紹介しましょう。
 1.人より多く働く2.朝早く起きる3.いつも運がいいと思う4.運がいい人とつきあう5.感謝の気持ちを持つ6.歩く7.美しい景色、自然を見る8.プラスの言葉を使う9.家族を大切にする10.手を合わせる。
 以上10を実行して努力運のアップに努めて下さい。


****** 今週の起業家への言葉 ******

運命とは運ぶ命と書きます。運は人が運んでくれます

 よく運命という言葉を聞きますが、運命を切り開くことはできると思います。運命の運は運ぶと書きます。人が運んできてくれるのではないでしょうか。そして、その運を生かすのも、殺すのも自分ではないでしょうか。運を大切にして、よい人生を楽しみたいものですね。

13.ビジネスを制する早起き

2009年8月27日 中部経済新聞 掲載

 先週のアクションチェック10番目の運の話をもう少し掘り下げて書きます。
 10・運をよくする行動を習得しましょう。
 1・人より多く働く…昔から多く働く言葉は沢山あります。人の3倍働け、若いうちの苦労は買ってでもしろ、などありますが、ひたすらがむしゃらに働けばいいわけではありません。ただ、多く働けば効率も考えますし、体験は知恵へと変わります。多く働くことは、人との差を生んでいく基本です。
 2・朝早く起きる…「早起きは三文の徳」という言葉のように、早起きはいい、とこれも昔から言われます。私も基本的には早起きは得意ではないです。
 しかし、起業して早起きになり、さらに今では、5時30分には仕事をするようになりました。なぜ、早起きなのかは、朝の仕事は非常に効率がいいのと、1日が長く、多くの仕事ができます。是非早起きの習慣を身につけて下さい。
 3・いつも運がいいと思う…運は、運がいいと思う人が好きなようです。運不運は平等だと思います。ただし、同じことが起きても、運がよかったと思えるか、運が悪かったと思うかはその人の人生観によるもので変わります。ですから、何が起きても良かったと思えるマインドが大切になります。
 4・運がいい人とつきあう…運は運ぶと書きます。ですから運は人が運んでくると思います。ですから、よい運をいただくには運のいい人とつき合いましょう。
 ただし、運がいい人は運のない人を嫌いますので、運がいいというところをみせないといけませんね。
 5・感謝の気持ちを持つ…人は多くの人と助け合いながら生きているのです。決して、1人では生きていけないのです。ですから、「おかげさま」、「ありがとうございます」など常に感謝の気持ちを持ちましょう。
 ちなみに当社では、社員全員が名刺交換した人にお礼のハガキを出します。それは出会いに感謝を行動で表すこととして実行しています。


 
****** 今週の起業家への言葉 ******

朝に強い社長は繁盛会社に多いです

 経営コンサルタントをしていますと、ときどき、もうかる秘けつを聞かれる方がいます。
 いろいろありますが、一つに「朝に強い」ということが大きな要素でないでしょうか。朝の時間は昼以降に比べ、仕事の効率が2倍も3倍もいいと言われます。また、「早起きは三文の得」のような諺(ことわざ)もあります。朝を制するものは、ビジネスを制するのではないでしょうか。

14."プラス思考"で将来展望

2009年9月3日 中部経済新聞 掲載

 先週のアクションチェック10番目の6から書きます。
 6・歩く…歩くことは脳にいいです。朝の時間帯に歩くのは最高です。人間は脳から指令を出しているのです。
 最近脳トレなどブームですが、私は歩くことは1番の脳トレだと思って実行しています。個人的には、朝30分〜40分歩きます。それと1日1万歩を目標に歩くようにしています。
 7・美しい景色、自然を見る…私は1年に数回富士山を見に行きます。富士山のように清く美しく日本一を目指そうと思っています。富士山を見ていますと心が晴れ晴れとして、悩んでいることが不思議と消えていきます。美しい景色、自然を見れば感動リフレッシュができ明日への活力となります。
 8・プラスの言葉を使う…人は言葉使いで随分変わってきます。活力のない人はいつも疲れた、疲れたと言うことが多いです。
 さらにその言葉で疲れるのだと思います。本当に疲れていても、「疲れたけど仕ことは充実した」と言うように肯定させるのがよいです。
よく起業家セミナーで、起業してどうですかと聞かれたら、「まあまあ」と答えなさいと言います。起業してほとんどの方はもうかっていないのです。ですから、もうかっていませんとついつい答えてしまいます。商売屋でもうかっていませんという言葉ほど、マインドを低くして、本当にもうからなくなる言葉はないのです。例えもうかっていなくても、「まあまあです」「これからです」という言葉にされるといいのです。
 9・家族を大切にする…自己啓発本で、お金持ちになる条件で必ず出てくるのが、家族を大切にすることです。家族は心の支えで、一番大切な宝物です。しかし、家族だから甘えで、逆の態度をとってしまう方が見えます。家族こそ一番大切にしましょう。ひとこと「ありがとう」を言いましょう。  10・手を合わせる…人は手を合わせると怒りが消えてきます。手を合わせて少し考えてみて下さい。いい考えが浮かびます。以上、10を実行して努力運を上げて起業を成功させましょう。


 
****** 今週の起業家への言葉 ******

明日は晴れるでしょう。止まない雨はない

明日は必ず晴れると思います。1年後はもっといい天気だと思います。
 成功すると思い続けることが成功への近道だと思います。3年後に必ず成功を迎えられると分かっていれば、“誰でも頑張れるでしょう。その確約がないから途中で諦めてしまうのです。成功は必ず待っていると自分が信じることから始まります。

15.10年後したいこと明確に

2009年9月10日 中部経済新聞 掲載

 今週は、具体的なメンタルチェック、自分の起業が、誰かに喜ばれ社会の役にたつか
を掘り下げて書きます。起業家並ならびに経営者の共通の目的は、誰かの役にたち、誰かから喜ばれることです。
 この「誰か」が多ければ多いほど売上げが上がるのです。その誰かを明確にすれば、起業への成功の道に近づけます。
 起業家の多くの失敗の原因が、起業がゴールになっていると以前に書きました。
 夢を叶えたから、目標を見失うのです。本来、起業は夢へのスタートなのに、目的と手段が変わってしまうのです。起業が手段の人は、スタートになります。ですから、10年後のビジョンなど明確になるのです。
 経営理念、10年後のビジョンを作っていただき、それを言葉にして下さい。
 もっとわかりやすく言いますと、例えば、カフェを経営したい方がいるとしますと、カフェをオープンすることが夢ではなく、カフェをオープンして多くの人々においしいコーヒーを飲んでいただき、ゆったりとした時間を楽しんでいただける場を提供することが夢ではないでしょうか。
 その結果、多くの人がきていただけることが売り上げにつながり利益になり、こと業として継続することができると思います。そして多くの人を数字におきかえるのがビジネスプランではないでしょうか。
 ですから、私はよく起業する人に「どうして仕ことをするの」「どうして起業するの」「起業後10年後に何をしたいんですか」という夢を書いてもらうようにしております。私はこの起業10年後に何をしたいかが明確な人は必ず成功すると確信を持っております。
 また、10年後の夢はできるだけ高い目標を設定してください。なぜなら、10年後のことは誰にも解らないからです。P.(ピーター)F.(ドラッカー)氏は「顧客を創造する」と書いています。
 想像ではなく創造なのです。自分たちで顧客を作っていくのです。だから、目標は高すぎるくらいでいいと思います。
 起業を夢のスタートとして、経営理念、社訓を作り、毎日言葉にしていただき、自分の思いを潜在意識にいれて下さい。


 
****** 今週の起業家への言葉 ******

10年後の自分を決めよう

 せっかく起業するなら、10年は頑張りましょう。会社は、10年生きられれば30年続くと言われます。10年先はどんな時代が来るのかは、誰にも分かりません。どうせ分からないなら、自分で決めるしかありません。10年後の自分を決めて起業しましょう。10年後の世の中を変えるくらいの自分を決めましょう。

16.10年以上修行したことを

2009年9月17日 中部経済新聞 掲載

 今週からは、具体的な現実論を書いていきます。
 さて、起業にとって一番大切なことはなんでしょうか。いろいろあると思いますが、「どんな業種で、いつ、起業するか」ではないでしょうか。
 そんなこと当たり前だと思われがちですが、実は起業の相談で「起業したいのですが、何を起業したらいいでしょうか」という相談があります。
 この相談、受けるほうからすれば一番困りますが、相談する本人はいたってまじめです。そういう時に私は次の質問をしていくのです。
 1.自分の長所を20個以上2.子供のころ、好きだっこと、得意だったこと、習い事をしたことなど3.子供のころなりたかった職業4.自分がほしいものを20個以上書いてください(お金で買えないもの・10個以上、お金で買えるもの・10個以上)5.自分がやりたくないこと6.好きな色、嫌いな色7.好きな景色、嫌いな景色8.自分の生き方の信念9.尊敬する人物10.半年後に死ぬとしたら何をしますかなど書いていただきます。
 これらを並べて見てみますと、同一言葉、思いもやらない考えなどが浮かび、意外に見えてくることがあります。そしたら、もう一度じっくり考えて下さい。
 どういう職業の起業がいいかは、私の経験で言えば、10年以上修行を積んできた職業が一番いいと思います。自分が体験していない職業はダメなのかと言えば、私もまったく経験のない、人材派遣会社を立ち上げていますので一概に言えません。
 ただし、自分が経験していないことは、並大抵の努力では難しいでが、固定概念がないだけ新しい取り組みができるのもチャンスでしょう。こればかりは、自分が必死で頑張れる仕事を探すしかありません。決めたら前進あるのみです。
 さて次は、いつ起業するかです。昔の兵法に「天の時、地の利、人の和」という言葉がありますが、いつは非常に大事になりますが、このいつが良いかは誰も解らないのです。
 なぜなら、どんな時代でも、起業して成功する人もいれば失敗する人もいるのです。
 このいつは自分で決めるしかありません。
 
****** 今週の起業家への言葉 ******

起業する日を決めて下さい。それが夢実現のスタートです。

 起業は夢ではないはずです。夢を実現するための手段です。成功する起業家と失敗する人の差は、起業後のビジョンがあるかないかだと思います。起業後どうしたいかを明確に持つことが大切です。起業はあくまでスタートです。

17.社名は7文字以内が適切

2009年9月24日 中部経済新聞 掲載

 さて、業種、いつが決まったら、次に考えていただくのは社名です。
 この社名、多くのお客様に読んでいただき、可愛がっていただけるよう命名して下さい。
 私がアドバイスで言うのが、7文字以内で読みやすい言葉にして下さい。漢字でもカタカナでも、ひらがなでも構いません。最近ではローマ字もOKです。
 起業家で、社名が売れていくことは非常に大切になります。長い社名ですとお客様にも覚えてもらえず、営業の電話をしても、もう一度名前をお願いしますなどと言われます。ですから、7文字以内がいいと思います。最近感じているのは社名を漢字で上手に付けられる方がみえます。非常にインパクトがありいいと思います。
 同一地区に同じ社名があると受け付けされませんので候補は3種類程度あったほうがよいです。私は自社の社名は50程度考えました。ちなみに、弊社のトライフィットの意味は、トライは3つで、フィットは利益のプロフィットより考えました。
 会社・社員、お客様、社会の利益が生まれるように考えました。この3つの利益、実は後で知りましたが、近江商人の言葉に「三方よし・売り手よし、買い手よし、世間によし」という諺(ことわざ)があります。
 社名が決まると印鑑ができます。すべての届けは印鑑が必要です。個人事業として開業される方は、個人の認印でも大丈夫ですが、法人の方は印鑑がないと届けはできません。
 社名が決まり、住所が決まれば、届けが可能になります。この法人登記ですが、法人の場合は、株式会社で30万円程度です。ちなみに、トライフィットは8年前になりますが、定款認証・収入印紙代・4万円、手数料代・5万円程度、登録免許税・6万円、出資金手数料・1万5千円(資本金の1000分の3程度)、印鑑代・4万円程度、その他の手数料・1万円程度です。
 ちなみに、専門家に、総額20万円支払いました。今は、書店でCD−R付きの申請書が販売されていますので、自分でも充分できると思います。
 
****** 今週の起業家への言葉 ******

私の会社知っていますか、知りません。

 経営コンサルティングで訪問すると、こういう会社ご存知ですかと聞かれますが、情けない話、ほとんど知りません。人に知ってもらうことは本当に安易なことではないのです。ましてや起業家の方の会社が少し大きくなったといったってほとんどの方は知らないのです。だから、もっともっと知ってもらう努力を続けないといけません。

18.設立費用は人脈に生かす

2009年10月1日 中部経済新聞 掲載

 さて、前回、法人の届出は自分でもできると書いて、なぜ、専門家に依頼したのか。
 それは、将来へのお客様作りへの投資です。起業して一番大切なことはお客様の開拓です。お客様は実は、目の前にいる人だけではありません。将来のお客様、その方がお客様ではなくても紹介はあります。お客様はどこかから現れてくるか分かりません。
 ですから、いろいろな手法で人脈を増やしていくことが大切です。私も、設立のお手伝いをいただいた、行政書士、司法書士の方々には、お客様をご紹介していただけたり、ご指導、アドバイスなどもいただいております。それを思うと設立費用は安かったと思います。お金は使うと出て行きますが、有効に使うと非常に有意義で、お互いの利益を生むことができます。そういうことから考えますと、経営とは、いかに上手にお金が使えるかが大きなカギとなるでしょう。
 話は設立時に戻ります。具体的な話で印鑑の話をします。実は印鑑は日本独特の文化みたいですが、知っているようで知らないことが多いのです。
 個人の場合は、社会のほとんどのことは認印で済ますことができます。実印、銀行印(認印でもOKです)などを作り、生活しています。
 法人の場合どうしたらいいのでしょうか、結論から言うと、印鑑を作らないと法人の申請はできません(個人の場合は、提出書類は認印でいいです)。しかし、商号が決まらないと印鑑は作れません。一見矛盾を感じるのは私だけでしょうか? 
 通常の手順は、類似商号を事前調査し、同じ名前がないと分かったうえで、申請を出します。ですから、調査が終わったら早急に作成して、印鑑が出来次第、登記ができます。通常は、法人の社印さえ作れば問題はありませんが、一般的には、社印、銀行印、社名等がはいった各印などを作成することが多いです。
 金額的にはいろいろあります。私の経験で言えば、当社の印影が早々と欠けてしまったので、欠けない材質の印鑑がいいと思います。こんな印鑑のことは当たり前と思われていますが、実は意外に知らないことが多いのが現実なんです。
****** 今週の起業家への言葉 ******

縁とは摩訶不思議

 縁とは本当に不思議です。目に見えない強い力を感じる時があります。しかし、実際はこの縁をなかなか活かせないでいます。人が一生に会える人はどの程度か分かりませんが、せめて身近な人には素敵な縁を提供していきたいですね。

19.資本金 初期投資の半分で

2009年10月8日 中部経済新聞 掲載

 前回に続き、設立の話を書いていきます。設立で大切なことに、資本金をいくらにするかという問題があります。以前の法律なら、資本金をいくらにするかよりは、株式会社か有限会社という考え方が主流でした。
 有限会社なら300万円から、株式会社なら1000万円からとなっていましたのでどちらかを選択すれば自動的に金額は決まりました。
 現在は基本的には株式会社のスタートです。資本金に関しては初期投資にかかるお金の半分程度で判断されるのが一番いいと思います。通常300万円〜1,000万円程度からのスタートになるのではないでしょうか。ただし、資本金1,000万円以上ですと初年度から消費税の対象になります。
 初期投資が多くて消費税の還付がある方はそれ自体節税になりますが、初期投資が少ない方は節税の観点から考えますと資本金800万円程度でいいでしょう。ちなみに1,000万円以上ですと地方税も高くなります。
 ただ、私が思うには、資本金があまりにも少ないと社会からの信用性も低いということです。また金融機関の融資でも、「この会社大丈夫かな」という不信感を生む原因になる可能性も高くなるでしょう。
 資本金はある意味、起業への準備がしっかり出来ていますという証明のお金でしょうね。この社会の信用性の話を、現在商売をしてみえる個人事業の方にどれだけ説明しても理解いただけない方が多いのが現実です。
 わたしは自分が株式会社で始めて、社会の信用性を痛感しました。
 次は、事業内容です。登記には自分が行う事業を届けるようになっていて、事業内容以外の事業をしてはいけないことになります。ですから、自分が関係する事業は全て入れておきましょう。
 さらに、起業が成功して、将来、新事業を考えてみえる方は、それも最初から入れておかれるといいと思います。ちなみに、私も写真の販売なども書いてあります。多めに書くことに関しましては何も問題はありません。
****** 今週の起業家への言葉 ******

とにかくやってみよう

 経営は前に進まなければ何も変わらないのです。階段も一歩あがれば見えてくる景色もかわります。前進あるのみです。前へ進むことが成功への一番の近道です。前進、前進ただひたすら前進です。でもよく考えて下さい。人は後ろへ歩くより前へ歩いた方が簡単ではないでしょうか?
 何も考えず前へ前進です。

20.業種により監督官庁へ提出を

2009年10月15日 中部経済新聞 掲載

 前回に続き設立の話を書いていきます。
 登記に必要な手続きは、設立年月日、営業年度で終了になります。これで登記の手続きは完了です。ここであなたが代表取締役を務める会社は、社会から認められた株式会社になるのです。
 それから、起業する業種によっては、監督官庁に届出の必要な業種もありますので、必ず確認をして届出をして下さい。届出をしないと商売ができません。
 例えば、喫茶店、飲食店、菓子製造業、食肉販売業、魚介類販売業、理美容、クリーニング、医薬品、旅館業などは保健所の許可が必要です。古物商、警備、風俗は警察署。酒類、旅行、建設、宅建、人材派遣、運送業、自動車整備業、各種学校他は国の機関、都道府県など等で許可、認可が必要です。(詳しくは、自分で調べて下さい。起業家になることは全て自分で責任を負うことです。誰からも教えていただけません。)ちなみに、トライフィット(人材派遣)は、一般労働者派遣事業許可を厚生労働大臣よりいただいて営業しております。
 行政の手続きは、一般の市民の方にとっては、慣れない用語や、行政のサービスの悪さ、ぶっきらぼうな会話に、何かと腹だたしいことが多いと思います。
 お役所は基本的には市民サービスのためにあるわけですから、本来なら親切丁寧に答えなくてはいけません。ただ、皆さんもそうだと思いますが、見も知らない人がいきなり来て、いろいろな話、質問をされたら、ついついぶっきらぼうになりませんか。相手とのコミュニケーションのコツで、相手を変えようとするのではなく、自分が変わるのです。ですから、自分の聞きたいことをノートにまとめていくとか、質問を紙に書いていくとか、聞くときはノートをとるなどして、聞く姿勢を見せるという起業家の方の努力も必要です。このように、こちらが真剣に対応すれば、行政の方も親切丁寧に答えてくれると思います。
****** 今週の起業家への言葉 ******

法律は勉強しておこう

 起業家になれば、すべてのことは自分で勉強し、実行することになります。サラリーマンのように会社から教えていただけるような環境はありません。常に自分で勉強です。特に法律は知らなかったでは済まされません。起業家の方は、税法が気になるでしょうが、それより商法を勉強してみて下さい。なんといっても商売の基本ですから。

21.手続きは分かるまで聞く

2009年10月22日 中部経済新聞 掲載

 前回に続き設立の話を書いていきます。
 役所の手続きでは、起業家の方がいきなり役所に聞きにいっても、どこの部署で何を聞くかが分からないことが多いです。ですから、事前に調査してから行くことが大切です。
 これは決して起業家の方を馬鹿にしているわけではありません。現実を言っているのです。一度、商工会議所の起業家担当の方、もしくは経営指導員の方、さらには専門家の窓口相談を利用されるといいと思います。
 そして聞くテクニックとして、自分が分かるまで聞くこと。恥ずかしいとか、こんなことも知らないとかではなく、自分が分かるまで何回も聞き、何回も足を運ぶこと。そのうちに顔見知りになり、その他のいろいろな情報も教えていただけるようになります。商工会議所は、小企業の指導団体ですので、国の施策、経営、起業ノウハウ、融資、補助金、その他、小企業の制度を把握していますので、起業家にとっては本当に頼りになる組織です。
 私も商工会議所の窓口相談を担当していますので、起業前に相談された方に、ある補助金をご紹介いたしました。その方は事前に行政に聞きにいかれ、登記の時に開業場所、事業内容の文言を入れるよう指導され、ある補助金を受けることができました。ちなみに、その補助金は月10万円、3年間受けられる制度です。
 補助金に関しましては、国、県、市町村の制度があります。県、市町村の制度はその行政区内で起業することが原則となりますので、起業する行政担当者にご確認下さい。
 起業の手続きは完了です。せっかく起業するなら、10年は頑張りましょう。会社は、10年生きられれば30年続くと言われます。10年先はどんな時代が来るのかは、誰にも分かりません。
どうせ分からないなら、自分で決めるしかありません。10年後の自分を決めて起業しましょう。10年後の世の中を変えるくらいの意気込みが大切です。
****** 今週の起業家への言葉 ******

桜、チューリップ、ひまわり、花にはいろいろあります。起業もすべて違います

 商売いろいろあります。花にもいろいろ種類があるように、起業にもいろいろあります。強いて言うなら、全て違います。ですから、教科書は参考程度にしかなりません。自分流にアレンジしましょう。人の意見も全て鵜呑みにしてはいけません。ただし、全ての起業の本質は一緒です。

22.融資の厳しさ 覚悟必要

2009年10月29日 中部経済新聞 掲載

 役所の手続きも完了して会社ができましたが、先立つものが…。
 いわゆるお金の話です。融資の話です。お金が多ければ多いほどよい、の気持ちは分かりますが、それでは融資は受けられません。
 最初に現実の話をすると、起業家の融資は非常に厳しいと思っていただきたいです。起業家の融資制度は日本政策金融公庫、もしくは都道府県、市の保証協会の制度が対象になります。金融商品は充実してきましたが、商品があるから借りられるとは別の話です。
創業などのセミナーに参加されると、融資の説明会があり、制度をご利用下さいと言われますので、誰でも借りられるような気になりますが、借りたものは返さないといけないのです。
 返済金は利益から支払うのです。サラリーマンなら働けば給料をいただき、銀行にローンを組んでも支払いはできますが、起業家は、起業して頑張って働いて、売り上げを上げて利益を確保して支払います。確かにその通りですが、頑張っても利益は確保できないこともあるのです。これが、起業の現実です。
 創業融資で最初に必ず出てくる条件が、自己資金がいくらありますかという項目です。
 貸付限度額の3分の1が条件になってくることが多いです。私は、開業資金に必要な額の半分は準備しましょうと言います。それは起業への準備の証となるものです。
 「善は急げ」「思い立ったら吉日」など、行うことはいいこと、という諺(ことわざ)もあります。さらには、起業家で成功した人のセミナーを聞くと一刻も早く起業しなさいと言われますが、私は周到な準備をしてから起業をすすめています。なぜなら、準備がしっかりしている人ほど成功している方が多いからです。
 ですから、そのときのために資金を貯めているのです。サラリーマンの限られた年収でお金を貯めるのは容易ではありませんが、外食を控え、贅沢(ぜいたく)をやめ、趣味を控え、いろいろ工夫をしながら貯めるのです。また、アルバイトをしたりする人もみえます。つまりは、今までの日常を変えないといけないのです。そのこと自体が起業への勉強にもなりお金も貯まるのです。
****** 今週の起業家への言葉 ******

何もなくても自分があります。

 成功の最大の秘けつは、最後まであきらめずに頑張ることです。ですから、資産がない、お金がない、情報がない、人がいない。いいじゃないですか、自分さえいれば。また、出直せます。自分を最後まで信じることができるような自分になりましょう。

23.節約へ 詳細な資金検討

2009年11月5日 中部経済新聞 掲載

 今回は前回に続き融資の話を書きます。
 融資のお金を、何に使うかを明確にしないといけません。そういう意味では、準備にかかるお金を詳細にしていく必要があります。内装資金500万円ではなく、内装資金は476万円のように細かく積み上げていく準備をして下さい。
 もちろん見積りには、詳細明細をつけていただき、詳しく検討していきましょう。ちなみに、私が見積りを見ますと1〜2割は節約できることが多いです。また、1社しか見積りをとっておらず、私の紹介した事業所で半額程度の見積りが出たこともあります。貴重なお金です。できるだけ節約して使う工夫をして下さい。
 さらには、事業計画書の提出も大切になります。事業目的、事業後の営業、事業後の利益計画、キャッシュフロー計画などの作成は最低条件です。
 これが、簡単にはできません。ですから、勉強しないといけないのです。
 ちなみに、私の窓口相談に起業家の方が何回も通ってみえるのはこの計画書を作成するためです。計画書は営業の仕方、経理の仕方、社員育成など具体例を挙げながら作っていくので、起業後の経営で非常に役立つのです。皆さんも経営計画書を融資のためでなく、自分の経営のために作成すれば、融資担当者にも情熱をもって話せるので融資も決まる確立は非常に高くなるでしょう。
 起業の融資相談は、いきなり金融機関に行かれるよりも、商工会議所、商工会へ行き、起業家担当の方に相談されることが一番いいと思います。他の政府機関でも相談会を実施していますが、起業、小規模事業者の現場のノウハウは商工会議所、商工会に勝る組織はありません。
 これは、融資とは直接関係ないですが、自己資金には、自分の事業以外に、半年分程度の生活費も準備が必要です。

****** 今週の起業家への言葉 ******

起業家は社会の新入社員です

 起業したら、今までの自分ではありません。ましてや前職の看板などまったく通用しません。信用もありません。知識も今までと違います。何もかも大きく変わるのです。始めて学生から社会人になって、何も分からず先輩方に叱られ、自己を向上してきた時と同じです。
 ただ違うのは、誰も指導をしてくれないのです。注意もしてくれません。ですから、怖いのです。もう一度社会人としての常識、マナーを見直し、仕事の基本を認識して、自分の信用つくりからはじめましょう。起業家に若葉マークはないのです。

24.ベストを尽くして待つのみ

2009年11月12日 中部経済新聞 掲載

  今回は起業準備計画の作成について書きます。
 15回目から起業の目的、準備の話を書いてきましたが、これを一度まとめて、書いてみましょう。これが起業への準備計画の作成です。
 1.あなたはなぜ起業するのですか?2.起業から5年後・10年後の姿3.私の長所20以上4.起業で得たい報酬(お金で買えるもの、お金で買えないもの)5.自分の事業のセールスポイント6.誰にいくらで売るんですか(マーケティング)7.いつ、どこで起業するのか8.いつ会社を退職するのか9.起業の勉強(簿記、起業家セミナー、パソコン、ホームページの作成など)10.お金の準備、資本、経費の調査11.会社名の決定12.「1〜11」までを時系列に計画をして下さい。13.起業年表の作成(1年後、3年後、5年後、10年後、20年後の姿)、起業時のスタートの貸借対照表(資産・事業への投資のお金、運転資金、負債・借入金、資本・資本金)以上の項目をフォーマットに落とし込み、計画書として作り上げて下さい。
 そして、それに向けて準備を着実にして下さい。
 準備している間にいろいろな問題点など出てくるのは当然です。さらには、自分の考えも変わってくるのも当然です。それらを全部修正しながら、よりよい起業の準備を進めて下さい。もし、これができなければ起業はうまくいかないくらいの決意が大切です。
 実際のところ、起業準備計画書を作成させる起業家セミナーは非常に少ないです。
 しかし、これを作成することにより、起業への大変さを認識して、心構えも心底できてくるのです。
 分かりやすく言えば、どんな競技でもいいですけど、プロを目指す人と、アマチュアで大会を目指す人、趣味で楽しむ人は全然意識も違うし準備も違うと思います。
 皆さんは、これから、経営者のプロになる人なのです。当然準備周到は大切になりますね。

****** 今週の起業家への言葉 ******

大丈夫です。保障はないけどね。しかし保障のある経営ってあるのでしょうか。

 経営に保障はありません。一寸先ですら誰も解らないのです。そんな闇の中を皆さん東奔西走しながら頑張っているのです。
 人事を尽くして天命を待つと言われるように、人事を尽くすことが大切なのです。経営の結果は誰にも解りませんが、プロセスは自分でコントロールできます。頑張ってきた先のもうひと頑張りに活路はあるでしょう。

25.原点見つめ経営理念を

2009年11月19日 中部経済新聞 掲載

 今回から、いよいよ皆さんが一番気になるビジネスプランの作成に取り掛かります。
その前にあなたが起業して、事業を経営していくわけですが、経営とはなんでしょうか?
経営とは、
 ※計画的に事業を営むこと、※商売を通して社会貢献すること、※商品、サービスを提供し、お金を得る行為を継続的に行うこと、※「人間が相寄って、人間の幸せのために行う活動」・松下幸之助氏、※「いかに人を動かし、いかに組織を動かすか、それが経営の原点です」・鈴木敏文氏−などいろいろ考え方はあります。
 「一言で経営とは?」と言われれば、私は「経営とはお金儲けをして人々を幸せにする行為ではないでしょうか」と答えます。そして、お金儲けは大きな社会貢献であると思います。
 このお金儲けの仕方を考えるのがビジネスプランです。
 それでは、原点に帰り考えてみましょう。
 会社とは、営利を追求する、資金と人の集団である、商売とは、利益を目的として行う営業行為。民法・商法(新会社法)に基づいた行為。
 営業とは、お客様に喜んでいただいてお金を得ること。継続的にお客様に喜んでいただくこと。利益とは、売上−経費。経費をいくら使って売り上げをいくら上げるか、継続していくために必要なもの。
 利益を得る5つのメリット、1.社会貢献・納税・雇用2.社員・役員に還元3.設備投資・将来への投資活動4.お客様に還元5.リスク回避のための蓄積です。
 この基本的な原点をしっかり見つめなおし、最初に経営理念、社訓を考えていきましょう。
 経営理念とは、あなたが起業して事業を営んでいく上での心の目標、企業が目指す諸目的を概括的に表現したもので、経営信条、経営者の精神と言われる。このように、基本的かつ長期的目標を全般的に示す言葉であります。
 なぜ、経営理念が必要なのか。それは、混迷な経済状況の中、経営理念が明確にされていなければ、企業の進むべき方向性が定まらず、社員、協力会社が経営の目的が定まらず、経営的力が分散されてしまいます。お互いの共通の目的を明確にし、進むべき道筋がしっかりしていれば、役員、社員、関係各位が力を一つにし、大きな力となり前進していくでしょう。(次号へ続く)

****** 今週の起業家への言葉 ******

信念は今の心を信じると書きます

 信念は、今の自分の気持ちをいかに感じて頑張ることではないでしょうか?
 さらにそれを自分が信じきって行動を継続する事だと思います。

26.経営理念は行動の動機付け

2009年11月26日 中部経済新聞 掲載

 25号の経営理念の話の続きから書きます。  それでは、今まで、経営理念の大切さがここまで言われなかったのは、なぜでしょうか。それは、経済全体が成長していく中で、真面目に仕事をしていれば、仕事は受注できました。だから、売り上げが増加し、経営力がなくても必然的に経営ができていたわけです。
 ですから、景気のいい時代に、これらを意識して経営していた会社は急成長されたわけです。豊かでありながら混迷な時代こそ、人は動機付けをします。また、動機が明確な人は行動に勢いがあります。その根本が会社の場合、経営理念になります。ですから、経営理念が明確で社員まで浸透している会社は儲かっている会社が多いのです。
 それでは、実際に自社の経営理念を考えてみてください。これが、早い人では1時間程度で、長い人は1年以上かかる人がいます。1年以上かかる人が、能力がないとかではなく、逆にいろいろ考えられ悩まれるんです。悩んで悩んで考えてもらって結構です。
 この掲載記事でも起業の動機を何回も話してきたので、すぐできた人もいるのではないでしょうか。それでは、なかなか思いつかない人へ簡単なアドバイスをします。
 経営理念の考え方
 1.どうして仕事をするのですか、10程度考えて下さい。2.会社・経営の目的は、10程度考えて下さい。3.あなたにとっていい会社とは、10程度考えて下さい。4.20年後・10年後どうなりたいですか、10程度考えて下さい。5.仕事をすることにより誰が喜ばれますか、5程度考えて下さい。6.仕事を通してどんな社会貢献ができますか、5程度考えて下さい。7.あなたの長所は、10程度考えて下さい。8.あなたは何がほしいですか、お金で買えないもの、お金で買えるもの、10程度考えて下さい。
 ☆この1〜8までの中で同じ言葉、考え方をピックアップしてみて下さい。それらを、20字程度にまとめて下さい。まとまりましたか、これがあなたの経営理念です。


****** 今週の起業家への言葉 ******

現場の理論、机上の理論の両方大切です。

 よく経営者の方で、評論家の方や経営コンサルタントの方に対し、経営もしたこともないのに何がわかるのかというセリフを何回も聞いたことがあります。
 たしかにその通りかもしれませんが、経営をしてなくてもわかることは沢山あると思います。受け取り側の意識次第ではないでしょうか。机上の理論も大切です。

27.理念共有に社訓が有効

2009年12月3日 中部経済新聞 掲載

 前回までは、経営理念を書きましたが、いかがですか。しっくりいくまで考えて下さい。
 そして、大きな声で読んでみてください。読みやすいことが大切です。なぜなら、社員関係者がその理念を共有するのです。憶えにくい、分かりにくいものでは、皆さんが共有できないと思います。
 今週は社訓を考えいただきましょう。「社訓とは経営理念を実行するための具体的な行動」「社員が守るべき基本的な指針としての定め」などの考え方で決めます。
 ですから、「××します」「××だ」のように終わる言葉が多いように見受けられます。経営理念を実行できる言葉、何かを追求していくような言葉、何かに貢献できるような言葉などがいいと思います。
 ちなみに当社の社訓は5つありますが、最初は「お客様の笑顔を想像して仕事をします」です。皆さんも3〜5程度考えてみましょう。
 経営理念、社訓を作ったら毎日唱和してください。なぜ、毎日唱和するのでしょうか?
なんか、宗教的とか、軍隊みたいでイヤと思うかもしれません。正直、私もサラリーマン時代、なんか軍隊みたいでイヤだなと思った記憶があります。
 しかし、いろいろ勉強していくと、多くの人をまとめていく一歩目としては、目的を共有することです。そして、それを共有していくには、いくら教育しても、その言葉を暗唱しないといけません。暗唱できると、いつも心の片隅にあり、そのことを意識しはじめるのです。また、その気がない人でも、何回も暗唱しているとその気になっていくそうです。
 これが言葉を口にしていくと大きなパワーが発揮できるのです。
ですから、繁盛している会社は、理念がしっかりしているとか、朝礼を頑張っているなどと言われることが多いのもこの力を利用しているのでしょう。
 当社でも、毎日朝礼で、あいさつ練習、経営理念、社訓、元気十訓、仕事の心得十訓を唱和してから仕事にとりかかっています。

****** 今週の起業家への言葉 ******

すべては思うことから始まります

 起業しよう。会社に勤めよう。趣味をする事。勉強すること。すべて、思うことから始まります。多くの人は思っています。しかし、ほとんどの人は「世の中厳しいから」「忙しい」「金銭的にムリだ」などいろんな理由をつけて自分で否定しています。
 「思うこと」と、「思いつき」は違います。「心から思って」行動すると、きっと成功するでしょう。

28.繁盛には事業に「強み」を

2009年12月10日 中部経済新聞 掲載

 前回までの経営理念、社訓はどうでしょうか、なかなか良いものができない人は、あせらずじっくり考えて下さい。
 さて、事業をどのように構築していくかになります。そして、事業を繁盛させるには、事業の強みを作ることと中長期経営戦略を明確にすることです。
 それでは、事業の強みをもつためにはどうしたらいいでしょうか?
 起業家の場合は、これがなかなかつかみにくいのです。ですから、最初は経営者の強みを生かしていくことになります。
 最初の手がかりとして、自分の長所を20個書いてみてください。長所は自分が長所と思えれば、それでいいのです、人の評価ではありません。
 いろいろあると思います。でも、長所20個、意外に書けないことはありませんか。中小企業の経営者で自社の長所20個書いてくださいといって、すぐに書ける人は20人に1人くらいです。長所を理解しているようで、理解していないのです。よく書けないけれど頭にあると言われる方がみえますが、書けないことは頭にまとまっていないのです。まとまっていないことが現実になることはありません。
 ですから、自分を整理するうえにでも長所を考えてみてください。
長所を意識的に見られるようになれば、さらにその長所も多くなり、長所ひとつひとつも伸びていくでしょう。
 長所20個書けるようになりましたか。次は50個に挑戦してみて下さい。私も何も見ずに50個すらすら書くことはできませんが、何とか50個程度は書けるようになりました。
 50個なんて無理と思わずに、自分でだけで考えず、周りの人に聞いてみてはいかがですか。両親、兄弟、親友、同僚などに何気なく聞いてみて下さい。自分が思いも知れぬことを長所と言われることがあります。自分が気づいていない長所も多いと思います。これを心理学的には、ジョハリの窓と言い、知らない自分を知ることにより、さらに知識や視野をひろげ人間的な成長ができるのです。
 起業家の場合、経営者の長所を自分自身でよく理解して、さらに人間的な成長ができれば、それが事業への長所にもなるでしょう。
****** 今週の起業家への言葉 ******

家は設計図を書いてから建てます。起業家も設計図を作らなければいけません

 起業の設計図が経営計画書になります。しかし、この計画書を本気で作っている人は意外にも少ないです。設計図がなくては起業の導きはできません。設計図を書いてみましょう。

29.10年後「在るべき姿」想像

2009年12月17日 中部経済新聞 掲載

 前回は、自分の長所を事業の長所にして、事業を伸ばそうという話を書きました。
 起業で、もう一つ考えいただきたいのが、10年後の在るべき姿です。
 15回目の連載にも書きましたが、10年後の事業を想像してください。でも具体的にはどう考えたらいいでしょうか。
 そんなに深く考えないで、××が欲しい、給与がいくら欲しい、高級車が欲しいも大切です。起業時から、「成功したら、海外に学校を寄付する」とか、「地域のために頑張る」と、崇高な話をされる方が見えますが、私的にはあまり関心しません。
 その行為は非常に素晴らしく、行為そのものを否定しているのではありません。そういうことは、本当に多くの納税と雇用をしてからの行為だと思います。
 個人的な欲望は、案外大きな力になります。ですから、人のことは気にしないで、いろいろ考えていただきたいです。
 ちなみに、私は、売上最低10億円、自社ビル、名古屋、海外に営業所、社員100名などいろいろ考えました。どれもまだ実現していませんが、あと2年でどこまでできるか自分が楽しみです。
 この10年後の在るべき姿に、心の目標の経営理念的なことや、現実的な、××で一番、売上××、利益××、自社ビル、社員と海外旅行、などいろいろあると思います。
 最低でも10個程度は考えていただきたいです。さらには、目標には数字を明確にしていくと現実的になり、イメージがしやすくなります。イメージができると、プロセスを考えやすく、よりリアルになれば行動もしやすくなり、事業への動きがよくなります。
 また、ハロルド・ジェニーンさんは、経営は「三行の経営論」として、本を読む時は、はじめから終わりへと読む。ビジネスの経営はそれとは逆だ。終わりからはじめて、そこへ到達するためにできる限りのことをするのだ。と言われています。起業を目指す人も10年先を考え、起業のスタートをきって下さい。

****** 今週の起業家への言葉 ******

寝ながら見るのは夢の夢、紙に書いて発表するのは本当の夢

 私には起業以外にも夢がいっぱいあります。カメラマンになりたいとか、作家になりたいとか、また他にもいろいろあります。
 しかし、それは夢の夢であって憧れであります。しかしながら、目標を実現に向けて行動するのは、本当の夢です。私も起業の時には、自分の思いを関係者に発表して始めました。
 あなたも起業を夢の夢で終わらせたくないなら、紙に書いて発表して行動して下さい。

30.頻繁な訪問営業で顧客増

2010年1月7日 中部経済新聞 掲載

 前回は、10年後の在るべき姿を考えて下さいという話を書きました。
 今週は、起業で一番難しいマーケティングの話です。分かりやすく言えば、商品、サービス、技術を売る力です。
 いい商品が必ず売れるとは限りません。売れた商品がいい商品です。拡大経済の時代はいい商品を作れば、売る努力をしなくても売れました。しかし、この物余り時代、いかに工夫して売っていくかが、起業家成功への大きなカギとなります。営業が得意で起業する人でも、以外に苦戦する人は多いです。なぜならそれは、今までは自分の後ろに大きなブランド、看板を掲げて売り歩いていたのです。その看板がなくなったとたん売れなくなるのは当たり前なのです。
 では、どのように考えていけばいいのでしょうか? 一番シンプルなのが、売り上げはお客様の数×単価です。
 起業家の場合は最初、お客様の数を増やしていく努力が必要です。お客様は、入店率×買上率になります。
 お店を開いて待っていてもお客様が来るわけではありません。自分から訪問営業していく必要があります。とにかく数を多く回ることです。1日20件、いや100件と言うように訪問営業は必要でしょう。
 さらに、ホームページの作成などして、自社をご理解いただく努力は必要です。チラシ、DMなどの広告媒体はもちろん必要ですが、経費がかかることと、回数を増やさないと効果がでないなど問題点もあります。
 次に買上率を上げるにはサービスをよくする、よい商品を置く、の2点を中心に考えて下さい。よいサービスの一番が笑顔で元気なあいさつ、親切なサービスです。よいサービスを提供するコツとして、状態を出来るだけ分かりやすくし、数字を入れるとサービスはよくなります。例えば、元気なあいさつとは、「お客様が玄関に入られたらお客様に聞こえる大きさで、ドアが開いたら3秒以内に3人の人が次から次へ挨拶をする」「お客様にお電話をいただいてから6時間以内に必ず訪問する」というように考えていただくといいと思います。
 これらに従い、営業年間スケジュールを考えていただくと具体的な行動が見えてきます。

****** 今週の起業家への言葉 ******

頑張りますでは不足です

 仕事は頑張るのは当たり前です。頑張りますでは成功しません。何をどのように頑張るのか、それを言ってはじめて頑張っているのです。「何を」「どのように」これが大切です。

31.具体的な行動目標作成を

2010年1月14日 中部経済新聞 掲載

 前回は、売り上げの話をして、具体的な行動をして下さいと書きました。
 「具体的な行動とは?」「計画を立ててもうまくいかない」という話はよく聞きます。事実そうだと思います。でも私がそういう方に必ず言うひとことが、「うまくいかないことが分かっただけでも大きな一歩じゃないですか」です。なぜうまくいかないのか、その原因は計画が行動ベースになっていないことです。
 ほとんどが、やる気で頑張る、営業を頑張る、売上目標×××円、です。それをどう行動するのか、がないのです。「因果法則」と言う言葉があります。「原因に応じた結果を招く」という意味ですが、その原因まで考えないといけないのです。いわゆる目標に対して、そのプロセスが必要になるのです。「どうしたらいいのか」は、明確化され、数値化して状態を決めることです。さらに、それが計測・観察できることを言います。
 「売上目標1千万円、営業を頑張る」から「売上目標1千万円、顧客名簿1千件訪問して、見込み客を100件作り、そのお客様に10万円購入いただく、日時は来月25日まで」というような具体的な行動目標を作成して下さい。これを1日単位、週間単位、月間単位まで詳細にして頑張って下さい。これで経営計画書が完成しました。
 最後に、目標を達成するために必ずして欲しいことがあります。
 起業の計画、行動をチェックして欲しいのです。
 毎日仕事が終わったら、今日の反省点と良いこと、行動実績をチェックして下さい。1日単位、週間単位、月間単位、半年単位、年間単位です。おのずと、できていること、うまくいかないことがわかり修正が必然的にできます。
 これが、経営はP(プラン)D(ドウ)C(チェック)A(アクション)で回せということです。
これで思いきり、死ぬくらい働いて下さい。さて、起業の準備はこれで、できたはずですが、実際はどうでしょうか。
 これが、机上の理論と現場の理論の大きな違いです。しかし、頭で考えられないものが現実にはならないのです。起業家はしっかり考えコツコツ実行していきましょう。

****** 今週の起業家への言葉 ******

石の上にも三年、あっというまでした。

 私も起業して、気付けば9年目です。本当にあっと言うまでした。起業3年は死ぬくらい働きなさいとよく言いますが、本当にそう思います。でも、あっという間ですよ。
 3年頑張ってみませんか、3年なら頑張れると思います。

32.事業の出発点は”お客様”

2010年1月21日 中部経済新聞 掲載

 前回は、具体的な行動、因果の法則の話を書きました。
 今回からは、起業家にとってより具体的な経営の話を書きます。
 最初に「事業とは何か」という話をしていきましょう。いまさら「事業とは何か」という質問はおかしな気もしますが、この「事業とは何か」、これが意外に意識しているようで、していないというか、理解できていないのが現状です。いざいろいろな経営者の方に聞いてみても答えられない方がほとんどなのが現実です。
 読者の皆さん、自分が仕事をしている“事業”とは何ですか。
 当社の勉強家に出席される方に、必ず「あなたの事業は何ですか」という書き込みフォーマットを書いていただくと、飲食店なら「食事提供」、ブッティクなら「服を売ります」、製造業なら「車の部品を作っています」など書かれます。「そんなことは誰もがしっていることです。私がその答えを期待していますか」と聞きますと、また、改めて一生懸命考がえられ、それらしい答を書かれます。あえて言うなら正解を出すことが永遠のテーマであるかも知れません。
 では、事業を考える上で一番大切なことは顧客満足です。お客様が誰で、何を買いたがっているかをいつも考えなくてはいけません。ですから、当然事業の出発点はお客様になります。自分たちが売りたい物、お客様が欲しい物が一緒になった時商売はうまくいくのです。
 ほとんどの事業所は、自分たちが売りたい物を強く売り、結果的に売れていかないという現状があります。
 さらには、お客様は商品意外の効用をお求めになることが多々あります。この効用を上手に販売できるようになれば、その会社はさらに大きな飛躍ができるでしょう。
 では、効用とはなんでしょうか。辞書では「役に立つこと」と、字のごとくですが、この効用を売っているお店は非常に少ないです。
 現在商売繁盛されている方は、実にこの効用を売っています。
 この効用はただです。仕入れもいりません。経費で何かを買う事もないでしょう。あなたの努力次第でどれだけでも売っていけるのです。

****** 今週の起業家への言葉 ******

スポーツをするのに基礎体力が必要です。

 どんなスポーツでも体力は必要です。最初は基礎体力作りから始めましょう。起業の基礎体力は、長時間働くこと、あいさつ、コミュニケーション、たくさんの営業などあります。まずは体力作りが必要です。

33.商品がもたらす効用 大切に

2010年1月28日 中部経済新聞 掲載

 前回は、効用を上手に販売できるようになれば、その会社はさらに大きな飛躍ができるという話を書きました。では、効用とはなんでしょうか。辞書では「役に立つこと」と、字のごとくですが、この効用を売っているお店は非常に少ないです。この効用について、今週も引き続き書いていきましょう。
 分かりやすく飲食店を例にお話ししましょう。飲食店で食事をするのは当然ですね。でも、皆さん外食する時には、食事だけを意識して場所を決めますか?ひたすら黙って食べますか?
 時には笑い、時には素晴らしい景色を見ながら、時には一刻も早く食事をして、時には語り合い、時には会社の会議の場所、時には彼女にプロポーズと言うようにさまざまなシーンで“会話”をするはずです。
 女性を口説く時や仕事の面談など、時に食事に行くのは非常に有効的です。これを心理学的には「ランチョン・テクニック」と言い、おいしい物を食べていると心地よくなり、好感度も上がるのだそうです。
 このことからも、飲食店は食事をする以外にも“楽しいひと時を過ごす場所” “デートの場所” “会社の重要な相談の場所”というさまざまな役割があります。
 ですから、心地よいサービスが必要になります。元気な飲食店はなんとなくこちらまで元気になりますね。これが効用です。
 また、飲食店はトイレの綺麗さで決まると言われるのも、実はこの効用からきていることが多々あるのです。なぜなら、トイレが汚いと、どうしても食べる気がなくなってしまいます。
 経営的には、基本的な販売商品、販売力もさることながら、商品がもたらす効用を大切にする事は非常に大事です。この効用が「事業とは何か」の答えを導く大きなヒントになります。  一度、自分の仕事の「事業とは何か」をゆっくり考えてみてください。すぐには答えがでないかも知れません。10年かかってもいいです。この効用を常に意識して仕事に取り組んで下さい。今までと違う自分が仕事に取り組んでいるでしょう。

****** 今週の起業家への言葉 ******

チャンスは自分でつかむしかありません。

 世の中、全ての人にチャンスは平等に巡ってくると思います。自分が起業して、そのことを強く意識するようになりました。しかし、チャンスの神様は、チャンスが来ましたとは教えてくれません。チャンスを感じ取れないといけないのです。そのためには、普段の勉強が大切になります。

34.「お客は何を買いたいか」追及

2010年2月4日 中部経済新聞 掲載

 前回は、効用を上手に販売できるようになれば、その会社はさらに大きな飛躍ができる、という効用の話をしてきました。
 今回からは、起業家にとって一番の課題である、販売、営業力の話をしていきましょう。起業家が売り上げを上げていくには、マーケティング力が大切になります。私は個人的には売り上げ10億円までは、根性で売れといいます。こういう話をしますと、マーケティングの先生は、根性で物を売るなんてナンセンスですと言われます。
 しかし、実際現場で商品、サービスを売っている方はそうは思わない、これが経営の現場です。マーケティングなんかどうでもいい、1件でも多く回れ、1個でも多く売れと言われます。  しかしながら、あえてここでマーケティングの話をしましょう。なぜなら、マーケティングを勉強され、根性を出された方は、想像もつかないような営業力を発揮するのと、営業マンを採用した時に、必ず役に立つからです。
 さて、企業の目的は「顧客を創造すること」です。顧客を創造するとは、未来のお客様を探しに行くことです。そのためには、企業はマーケティングとイノベーションをしていかないといけません。なんだか難しい言葉に聞こえるでしょうか、そんなことはありません。マーケティングは商品を売っていくための活動。イノベーションとは、新しい満足を生み出すこと。分かりやすく言えば、技術、販売の新しい手法です。
 今回は、特にマーケティングについてお話しましょう。
 マーケティングとは、「満足を感じる顧客を増やすために、長期・短期で努力していくことです」。物あまり時代、このマーケティング力は非常に大切です。
 企業側は一つでも多く売り、売り上げを上げ、利益を上げる。お客様側は、買って良かったという満足感を得られる(顧客満足)。この二つがイコールになる接点を探すことです。にも関わらず、ほとんどの企業、営業マン、販売員の方は大きな間違いをしています。何を売りたいかを追及してしまうのです。
 私たちは「お客様は何を買いたいか」を追求しないといけないのです。


****** 今週の起業家への言葉 ******

兆しを感じることが大切です。

 兆しを感じることができますか。人は大きな成功をした時、失敗をした時、反省をしますが、成功も失敗も積み上げです。ですからいきなり来るわけではありません。特に成功の積み上げは難しいです。小さな成功を感じられるようになってください。兆しを感じて下さい。

35.営業、販売力強化考え4P

2010年2月11日 中部経済新聞 掲載

 前回は、私たちは「お客様は何を買いたいか」を追求しないといけない、で終わりました。今週も引き続きマーケティングの話を進めてまいります。
 それでは、最初にマーケティングの答え、マーケティングの目指すべき姿とは?
 「顧客を理解し、製品とサービスを顧客に合わせ、おのずから売れるようにすることである。」という考えです。
 マーケティングの目標は六つ考えられます。1.今までのお客様(既存の製品の目標)2.いなくなるお客様(既存の製品の縮小廃棄の目標)3.今までのお客様にさらに買っていただく(既存の市場における新製品の目標)4.新規のお客様(新市場の目標)5.お客様のリピター率をあげる(アフターサービスの目標)6.これからなっていただける世間のお客様(信用の目標)−からなります。(マネジメント 基本と原則・P.F.ドラッカーより)
 起業家の場合は、4.新規のお客様(新市場の目標)、6.これからなっていただける世間のお客様(信用の目標)の、二つの市場しかないのです。ですから、売り上げ向上をさせていくことが非常に難しいのです。
 具体的に営業力、販売力をつけていくにはどうしたらいいでしょうか。そこでよく言われるは、4Pを考える事です。
 1.Product(プロダクト・製品)=完成度、デザイン、ネーミング、ブランド力、パッケージ。2.Price(プライス・価格)=「この品質でこの安さ」「高くてもいいわね」。3.Promotion(プロモーション・販売促進)=商品を知ってもらい買ってもらう。良い物が売れるとは限らない。4.Place(プレイス・場所)=立地、流通、インターネット。
 これらの4Pを考えて販売していくと、営業力、販売力をつくと言われています。特に新しく商品を売っていくためには、4.Place(プレイス・場所)立地、流通、インターネットが重要になります。


****** 今週の起業家への言葉 ******

幸せは歩いてこない、だから歩いていくんだよ・・・・いい歌ですね。

 「棚からぼた餅」「果報は寝てまて」と言いますが、人生でそんなことってありますか?私の短い経験ではないです。待っていてはいけないと思います。幸せを歩いて探しに行くことが大切です。犬も歩けば棒にあたる。歩いて前進すれば幸せにあたるでしょう。

36.”顧客側”の4Cを理解

2010年2月18日 中部経済新聞 掲載

 前回では、 マーケティングの目標は六つで、4Pとして、Product(プロダクト・製品)、Price(プライス・価格)、Promotion(プロモーション・販売促進)、Place(プレイス・場所)の話を書きました。しかしこの4Pはあくまで企業側の考えで、決して、「お客様は何を買いたいか」を追求していないような気がします。
 そこで、最近よく言われるのが、マーケティングは4つのCからなるということです。
 1.Customer Value(顧客にとっての価値)=製品サービスの顧客にとっての価値。2.Cost to the Customer(顧客の負担)=いくらのコスト負担ができるのか。3.Convenience(入手の容易性)=お店が近くにあるのか、ネットで買えるのか。4.Communication(コミュニケーション)=企業側のメッセージが正確に顧客に届いているのか。
 この4Cは顧客側からみた、マーケティング理論です。
 起業家の皆さんは、この4Cをよく理解したうえで、営業、販売戦略を考えていただきたいです。
 私の経験から、具体的な営業、販売活動において気をつけていただきたいことがあります。それは、2.Cost to the Customer(顧客の負担)=いくらのコスト負担ができるのかで、大きな勘違いをされている方が多いのです。
 それは、商品、サービスは安くすれば売れるというものではありません。また、1回安くした商品を高くすることはできないのです。
 起業家の場合は、値段設定の経験がなく、比較的低めの値段を付けられる方が多いですが、高めの値段をつけて下さい。
 そもそも価格は市場の原理で需要と供給バランスの一致したところが価格になるわけです。その考えで価格をつけるなら、自分が開業する市場で価格調査をして、そこで一番高い価格をつけて下さい。そして、高くても売れる営業、販売力を身に付けて下さい。それがあなたの付加価値、差別化に変わっていきます。
 最後にもう一度、「お客様は何を買いたいか」を追求して下さい。


****** 今週の起業家への言葉 ******

苦しい時は誰もあります。

 苦しい時は誰でもあります。順風満帆で大成功した人はいないのではないでしょうか。紆余曲折され築きあげているのです。ただ、大成功された方は、悪いことは話さない傾向があります。なぜなら、いい話のほうが誰もが気持ちいいことを知っているからです。

37."賃借対照表”を理解する

2010年2月25日 中部経済新聞 掲載

 マーケティングの4つのCの話を前回はしました。
 今週からは、財務の話をしていきましょう。
 財務を言葉で書いていくのは非常に難しいですが、言葉で言えば、会社の体質を数字という結果に表したものです。
 ですから、この数字を意識して経営をしていく必要がありますが、これが、ほとんどの中小企業の方が、意識していないのが現状です。もっと詳しく言うなら、意識はしているが、理解していないのが現状です。
 さて、財務はまず貸借対照表を見られるようになることです。経営者の方は、損益計算書は気にされる方が多いです。損益計算書には売り上げ、利益が出て、今月は儲(もう)かったか、など数値を意識します。
 貸借対照表と損益計算書、貸借対照表はある時期の資産状況の結果で損益計算書は一定期間の売り上げ、経費を示したものです。
 皆さんも承知の通り、会社は赤字だから潰れるのではありません。お金がなくなったら潰れるのです。お金がいくらあるかがわかるのが貸借対照表です。損益計算書には、お金がいくらあるかは示されていません。それなのに、貸借対照表を見ようとはしません。損益の結果が表れている程度にしか思っていません。
 私は、貸借対照表をどのように組み立てるかを考えて、利益を算出します。
そして、投資、資金量などを考え、利益計画を作成します。
 会社にとっての最低限の必要利益さを確保していくことが、経営者としての務めです。  それでは、どのような貸借対照表にしたらいいのですか。私は次の三つの指数さえ押さえていればいいと思います。一番大切な指数は、流動比率で短期の支払い能力をみる指数です。これを200%以上にして下さい。
 次に、自己資本比率として、会社の資本の蓄積を見る指数です。この指数を40%以上にして下さい。三つ目は、総資本利益率です。投資資本の運用効率を見る指数です。一般的には7%以上と言われますが、私は10%、いや20%を目指してくださいと言っています。
 これらの指数を上げるには、どのような損益を目指していくのかが課題になります。次回はその課題について詳しく述べます。



****** 今週の起業家への言葉 ******

起業は初めてづくし。

 起業すれば、今までに経験したことがないことばかりです。勉強になるので、脳が活性化していきます。サラリーマンの100倍はいろいろな体験ができますよ。 だから起業は素晴らしい。

38.利益確保で現金増やす

2010年3月4日 中部経済新聞 掲載

 貸借対照表の重要性を前回は話してきました。特に、流動比率・200%以上、自己資本比率・40%以上、総資本利益率・10%いや20%を目指すよう話をしました。
 上の三つの指数を目指すためには、損益計算書で利益を確保することです。この指数は1年ですぐによくなるものではありません。何年もかけ、貸借対照表の数字をよくしていくのです。ですから、財務戦略は非常に重要になります。さて、そのためにはどうしたらいいか、方法は一つしかありません。利益を確保して、キャッシュを残すのです。
 財務にとって一番大切なものは、お金である話をしました。ではお金を増やす方法は、実は三つの方法しかないのです。1.利益を出し税金を払いキャッシュを残す。2.増資をする、役員報酬を高くして会社に資本をいれる。3.借入金(運転資金)を借りて現金を増やす。
 この三つの選択肢は利益を確保しないとできないことです。利益がないと役員報酬は高くできませんので、増資をする資金を作れません。また、借り入れをするにも利益が出ていない企業にはお金をかしてくれません。
 企業経営にとって利益は本当に大切です。
 それでは、以前に少し書きましたが、利益のもたらすメリットを詳しく書きましょう。
 利益を得ることにより得られるメリットは五つあります。1.納税、雇用2.投資3.社員に還元4.お客様に還元5.リスク回避です。
1.納税、雇用…会社の利益が得られれば納税という形で社会貢献になります。人を採用して、さらに利益を出していけるように工夫しますので雇用につながります。
2.投資…設備をよくしたり、社員の働く環境をよくしたりできます。
3.社員に還元…賞与や給与で、また、福利厚生などで還元されます。
4.お客様に還元…利益を得る事により、サービスも良くなり、さらにいい商品も開発できます。
5.リスク回避…利益を現金などで会社にストックしておき、資本を厚くし不景気に備えるのです。
 企業は利益の追求が、大きな課題です。起業家の皆さんも利益を意識しなければ、利益がでないことをよく考えて下さい。



****** 今週の起業家への言葉 ******

サービスの答えは。

 サービスって何ですか?答えがあるようでありません。なぜならサービスは人にすることですから、答えがありません。人間すべて違うのです。ですから人の数だけサービスもあります。サービスはとても奥が深いのです。

39.計画立て経営を創造

2010年3月11日 中部経済新聞 掲載

 前回では、利益がもたらす五つのメリット1.納税、雇用2.投資3.社員に還元4.お客様に還元5.リスク回避を書きました。
 今まで勉強したことを実践に移しても、なかなかうまくいかない、これが現場の声であり、現実です。
 世の中の多くの経営者が計画を立ててもうまくいかないから計画を立てないと言います。
 でも、私はうまくいかないことが分かっただけでもいいじゃないですかと言いますが、なかなか理解されません。
 計画を立てたから、うまくいかないことが分かったということを理解して、何がうまくいかないかを検証していけば、徐々にうまくいくようになるのではないでしょうか?
 また、不透明な時代だから計画は必要ないと言われる方もいます。まさしく、一寸先が分からない時代です。しかし、よく考えていただきたいのは、先が見える時代なら計画は必要ないのではないでしょうか。先が見えないからこそ私たちは、計画をたて経営を創造していくのです。
 さて、経営計画を立てて目標がうまくいく人には共通点があります。経営目標を実現できる社長の行動をもとにして、経営計画の立案から実行、確認まで、さまざまな角度からチェックして、目標達成力について確認する項目をまとめてみました。
 渡辺式・目標達成力チェック
 1.目標に数字を入れ、習慣、行動ベスまでおとし測定できるようになっている。…売り上げ×××円というような目標を作成して、頑張りますでは、目標は達成できません。そこにいく道筋があります。すべての結果には行動、プロセスがあるのです。測定できるようなプロセス、数字状態まで考えていく必要があります。
 2.経営目標は、手書きで清書している。…パソコンがノーマルの時代に手書きなんて、と思われるかもしれません。しかし、手は第二の脳と言われるように、手を動かすことは脳の活動を活発にします。手で書いている時のほうが素晴らしいヒラメキ、アイデアは出てきます。ぜひ手書きをしましょう。当社のビジネス塾の経営計画作成コースは手書きで行っています。



****** 今週の起業家への言葉 ******

列車は特急もあれば普通もあります。両方とも必要です。
とりあえず、起業行きの普通に乗って下さい。


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